社会福祉HERO’S

買い物弱者を減らすことも私たち社会福祉法人の使命!

社会福祉な「まいにち」

愛知県 執筆者 うめむら 2018.12.10

私、うめむらは愛知県稲沢市平和町の社会福祉法人に勤務している。
平和町の人口は平成29年1月時点12,719人、うち65歳以上は30.3%を占める。また公共交通機関が乏しく、車が無ければ、買い物や病院への通院が困難な地域でもある。
経済産業省によると、買い物弱者とは「流通機能や交通網の弱体化とともに、食料品等の日常の買い物が困難な状況に置かれている人々」を指す。買い物は高齢者の外出機会の多くを占めており、買い物に行けないことにより、外出頻度が低下し、個人の生きがいに影響を与える。また買い物環境の悪化、コミュニティの希薄化により低栄養状態に陥り、医療費や介護費の増加を招く可能性がある。平和町はまさに買い物弱者が潜在化している地域だ。

私たちの法人が掲げる8つの使命のうち最初に掲げているのが「使命1 地域社会に密着した施設運営に心がける」である。福祉を地域に還元および地域のまちづくりと捉えることが重要と考える。当法人は地域包括支援センターを運営しており、地域住民から買い物の移動の不便さが地域課題だとあげられた。

昨年度、稲沢市で初めて平和地区に生活支援体制整備推進協議会が立ち上げられた。地域の情報交換や、地域課題解決等、地域で助け合う平和町の未来を考える組織である。協議会でも、地域課題「買い物の移動の不便さ」の解決策が協議された。
その結果、今年度、稲沢市社会福祉協議会が主体となり、私たちの法人である亀泉会と高齢者ふれあいサロンが始動。私たちの法人の使用されていない時間帯の送迎車を活用して、買い物弱者を地元スーパーに送迎するモデル事業をスタートさせた。名付けて「にこにこきせん買い物支援事業」。地域も私たちも一緒に、にこにこ笑顔になるよう思いを込めた。

第1回目の「にこにこきせん買い物支援事業」では6人の地域住民が参加。おかげさまでその日は晴れ晴れとした天気。皆どきどきしながら集合。「おはようございます、どちらからいらしたんですか」「今日は何を買いますか」。参加者も私たちも自然と声を掛け合い、車で一緒にスーパーへ。その日はちょうど特売日。お店はいつも以上に大勢の人がいて賑やかな雰囲気だ。

参加者は思い思いに買い物カートをひいてお店を散策。
普段はなかなか買い物に行けないけれど、今日は何を買おうかお話しながら買い物ができるというわくわく感があった。
最初は皆少し緊張していたけれど、帰る頃には参加者同士で楽しくお喋り。

参加者に感想を尋ねると、にこにこしながら語る。「自動車免許を返してから、自力で買い物に行けなくなってしまったが、「にこにこきせん買い物支援事業」のおかげで久しぶりに楽しく買い物ができてとても助かった」「普段行けないお店に行く楽しさがあった」「混んでいたが日頃味わえない空間は刺激になった」「皆で買い物に行くのってなかなか無くてとても良い」「こんなにいっぱい買う予定じゃなかったのに楽しくていっぱい買ってしまった」「いろんなところに行ってみたい」。
そんな生の声が聞けて、地域の求めていることがダイレクトに伝わってきた。そして地域に福祉を還元できる機会だと感じた。

現在、月に1度、「にこにこきせん買い物支援事業」を開催している。毎回定員いっぱい、満員御礼での開催だ。更には私も「にこにこきせん買い物支援」に参加したいと新しい仲間やリピーターも増えている。
ただのイベントとしてではなく、支援が必要な買い物弱者が利用できるよう、継続して実施する仕組み作りのため、定期的に稲沢市社会福祉協議会、高齢者ふれあいサロンと合同で協議を重ね、行き先や参加者の抽出の検討を行っている。

「にこにこきせん買い物支援事業」を通してわかったことがある。買い物弱者は単に買い物がしたいだけではない。いつもよりちょっとおしゃれをする、初めて会う人とお喋りをする、あまりなじみのない珍しい食品を見つける、「また次も会おうね」と約束をする、「今日はこんな人とこんな場所へ行ったよ」と家族とお話をする。年齢を重ねても自分らしい暮らしをしたいのだ。

私たちはそんな何気ない日常の一コマを作り、その人がいつまでも自分らしい暮らしができるよう支えていく。
そして福祉サービスを提供する側・される側ではなく、地域の声に気付き、地域をともに創っていく。
様々な人の「生きる」を支え、皆で協力し合い、希望や理想を追求し、支え合いながら生きていきたい。

うめむら
愛知県社会福祉法人亀泉会

愛知県稲沢市にある社会福祉法人亀泉会の梅村展子と申します。
歯科医師だった祖父が昭和61年に法人を創設、稲沢市初の特別養護老人ホームを開設し、現在は高齢者・障害者事業を展開しています。
私は薬剤師ですが、最近はいかに面白い地域における公益的取組ができないかと考えることが仕事の楽しみのひとつです。
福祉は単に利用者様の介助にとどまらず、福祉を地域に還元および地域のまちづくりと捉え、介護が必要な人もまだ必要でない人も互いに支え合う地域のまちづくりのお手伝いができればと思っています。

愛知県稲沢市にある社会福祉法人亀泉会の梅村展子と申します。
歯科医師だった祖父が昭和61年に法人を創設、稲沢市初の特別養護老人ホームを開設し、現在は高齢者・障害者事業を展開しています。
私は薬剤師ですが、最近はいかに面白い地域における公益的取組ができないかと考えることが仕事の楽しみのひとつです。
福祉は単に利用者様の介助にとどまらず、福祉を地域に還元および地域のまちづくりと捉え、介護が必要な人もまだ必要でない人も互いに支え合う地域のまちづくりのお手伝いができればと思っています。

この記事をシェアする

一覧に戻る