社会福祉HERO’S

え~っ、介護施設でインカム!? 導入担当者になってしまった私が すでに導入している隣の施設の担当者に インタビューしてみた  〜我が施設インカム導入大作戦パート① 

先輩・同僚インタビュー

聞き手 Café45 2022.09.02

こんにちは。社会福祉ライターのCafé45 です!お久しぶりです。

今日のお話は、10年前には想像もできなかった福祉の現場をお伝えしようと思います。それは何かというと「インカム」というICT通信機器が活用されはじめているというお話です。

実は、私の施設も導入しようということになったのですが、果たして上手く軌道に乗せることができるのか、なんだかとても不安です。。。(・_・”

と、そんな時。隣の施設では、すでに導入がはじまっているではありませんかっ!?

そこで、絶対に成功させるために、いろいろと情報を仕入れてこようと思います!!

取材に応じてくれたインカム導入済みの施設の秋澤課長

インカムとは、なんぞや ・・?

といいますと。写真のように、両方の耳にかけるイヤフォンと小型マイクが合体したもので、いわゆる無線機です。利用者さんからのナースコールの対応や、職員同士の通話・連携のために用います。フリーハンドで、話したい相手と繋がることができるコミュニケーションツールです!

ではまず、私たちの原点ともなる問いですが、なぜこのようなツールが必要とされたのか。それを福祉の現場で活躍している、秋澤課長に聞いてみました。

 

―インカムを導入前に、支援の現場で抱えていた課題や悩みとは何ですか?

秋澤課長:インカムを導入する前は、利用者さんが居室やトイレからナースコールで職員を呼び、職員は持っているナースコール用のPHSから応答して現場に向かい、介護などの支援を行っていました。

しかし、PHSの台数に限りがあり、PHSを持っている一部の職員が対応することになるため、その職員の負担が大きくなり、それにともない、利用者さんの待つ時間も長くなることも課題でした。

そして、障害の重度化や高齢化により、支援の量が増えて、毎日が忙しいこと。利用者さんに呼ばれ、もう一人職員のサポートが欲しくて、どこにいるか探し回ってしまい、時間のロスになっていることも挙げられていました。

―では。インカム導入するにあたって準備したことは何ですか?

秋澤課長:職員の意識改革からはじめました。誰もがそうだと思いますが、新しいことをはじめる時は、その変化に対し、ワクワク感やドキドキ感よりも不安や心配事が大きくなってしまうものです。インカムを導入するメリットを説明し、皆が理解できたことで、大きなトラブルもなく導入することができました。

つまり、「マインドセット」が大事ということですね。そして、何台のインカムが必要かも検討しました。多くてもダメで、少なくてもダメ。そして、私たちの支援スタイルにとって、ちょうどいい数は12台でした。入所施設ですから、365日24時間、職員は交代制で勤務します。また、多職種連携を図っていますから、インカムを装着するのは、早番2名、日勤2名、遅番2名、夜勤2名、看護師2名、療法士2名の合計12台となったわけです。

(私の施設では、6台でスタートを考えています)

―最後に、インカム導入後の効果や現場が変わったなと感じたことを教えてください。

秋澤課長:利用者さんからの要望等を全職員がインカムから発信・情報共有することで、リアルタイムでの引継ぎが可能になり、スムーズな連携とコミュニケーションをもつことができました。

また、課題として挙がっていた特定の職員に偏りがちな介護負担に関しても、インカムを通して負担を分散することが可能となり、働きやすさを感じています。

そして、全職員で介護を提供することが可能になったため、利用者さんが待つ時間が大幅に減少し、支援の質が向上しています。

とはいえ、6月から導入して未だ1か月ですので課題も多くありますが、さらなる利用者さんの生活の質の向上に繋がるよう、全職員でクリアしていきたいと思っています。

↑リハビリ中、インカムで他のスタッフと連絡をとる療法士(左)、↑ご利用者支援中に他のスタッフからの応援要請が入った介護士(右)

【インタビューを終えて】

隣の施設は、身体障がいがある方がたを支える入所施設(暮らしの施設)です。

そして、私の勤務する施設は知的障がいがある方がたを支える入所施設(暮らしの施設)になります。支援する方がたは異なり、インカムの使用場面は違いますが、目的は一緒です!

それは、職員同士のコミュニケーションを通して、Teamとしての一体感を感じながら、日々の仕事に向き合っていくことで、やりがいを感じること。業務の効率化は、それと同時に並行して進めることができると考えています。

ICTの力を借りることによって、新しく生まれた時間は、利用者さんとの心を結ぶ時間に変わる。

そんな福祉の世界が来ています。

では。次は、私たちの番です!!

乞うご期待☆

次回は、我が施設で導入した結果をご報告したいと思います!

↑うちの施設のメンバー。インカムを装着して嬉しそう

“All for all.”(みんなはみんなのために)

この記事を読んでいただき、ありがとうございました。

Café45
栃木県すぎのこ会・ひのきの杜

“人に力を与えられるひとになりたい”そう心に決めて、今もこの場所にいます。
福祉の仕事に携わり、もう16年。決して若くはありません(ただheartは若いです…)。でもそれだけに、失敗も嬉しいできごともたくさん経験し、そして利用者さんや家族から“福祉って一体何なのか”を学ばせてもらいました。
ここでは、福祉現場のできごとや福祉というキーワードに至るまでにかなり遠回りするエピソードなどを、ラフに幅広くお伝えしていきたいと思います。一つ一つの物語のバトンを皆さんとつなぐことができたら、とても嬉しいです☆

“人に力を与えられるひとになりたい”そう心に決めて、今もこの場所にいます。
福祉の仕事に携わり、もう16年。決して若くはありません(ただheartは若いです…)。でもそれだけに、失敗も嬉しいできごともたくさん経験し、そして利用者さんや家族から“福祉って一体何なのか”を学ばせてもらいました。
ここでは、福祉現場のできごとや福祉というキーワードに至るまでにかなり遠回りするエピソードなどを、ラフに幅広くお伝えしていきたいと思います。一つ一つの物語のバトンを皆さんとつなぐことができたら、とても嬉しいです☆

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