社会福祉HERO’S

地域おこしをしないと、社会福祉は成り立たない?

社会福祉な「まいにち」

岩手県執筆者 ユウジ2018.12.10

はじめまして!社会福祉ライターのユウジです。八幡平生まれ、八幡平育ちの視点から地域の福祉課題を解決するため、まずは地元で「福祉による地域おこし」ができないかと、新しいアイディアを日々考え中。そんな私が現在すすめているプロジェクトについてご紹介いたします。

北東北の中心にある岩手県八幡平市。大地と水と緑織りなす四季折々の風景が訪れた人を魅了する。
松尾鉱山の隆盛で栄えた時代には5.3万人が住んでいて、地域経済を支えていた。今では人口減少が進み高齢化は進んでいる。

今年の夏、盛岡市で開催されたセミナーにNPO法人Ubdobe岡勇樹代表(以下、敬意をもって「ゆーく」という)の講演を聞く機会があった。Ubdobeとは「音楽×アート×医療福祉を通じてあらゆる人々の社会参加を推進」する活動を行っており、その活動方法がとにかく斬新だ。これまでネガティブだったはずの福祉の世界を音楽、アートの融合によって、イメージを180度変えてしまっている。なぜだか福祉が身近に感じて、ワクワクして楽しい。ブランディングによるイメージアップスキームが実に上手い。
あと、最も大切なこと。
世の中は超高齢化社会を迎えているが、人手不足が理由で高齢者施設に入所できない例もあり、この解決には福祉を支える担い手が、必要な数だけいなければならない。
そう、ゆーくは人手不足による不安定なサービスの解決に乗り出している。

そんな団体の活動から「LOVE AMAプロジェクト」を知る。人口たった2300人の島が全国から注目を集めているというのだ。今、地方は若年層の人口流出が続き、介護職不足が深刻になりつつある。このプロジェクトは都会の暮らしを見直し、衣食住を大切にしようとする若者たちが地方へ移住し、医療福祉従事者である彼らはその先で福祉サービスを待っている人々への支えとなるというものだ。

私はこのプロジェクトを聞いて、「八幡平でもやれる。」そう確信していた。

盛岡講演の翌日、自宅のパソコンから「ウブドベ(Ubdobe)」と検索し、WEBサイトへアクセス。問い合わせにはメールアドレスが書いてあったので、自分の思いをメールにしたためる。
確かその日の夕方だったろうか、ゆーくからメールが返信される。ちょうど八幡平市役所に知り合いの担当者がいたので、同じ内容を送信しておいた。
興味を持ってくれたようで、後日、八幡平で会うことを約束する。

8月7日、盛岡駅で待ち合わせをし、いつも通りのスタイルのゆーくとUbdobeスタッフの中村百花さんとはここではじめて出会う。
八幡平市役所に向かうため車を30分ほど走らせる。車中では自己紹介も含め、プロジェクトの概要を話ながら進んだ。
午後2時すぎ、八幡平市役所に到着。田園風景に建物がたたずむ風景が気に入ったようで、市役所前で写真を一枚とってから中へ進んだ。
早速、中村さんから八幡平市に対してプレゼンがはじまる。まずはUbdobeの活動紹介からだが、映像と音楽を交えた紹介方法が実にかっこよかった。隣で聞いていた自分も自然とリズムを刻みそうだった。
活動紹介を終えたあと、島根県海士町と徳島県三好市の医療福祉職移住プロジェクトを報告。なんと海士町は実際に6人が移住したらしい。人口2300人の島に対してはかなり大きい数字だと思った。

約2時間のプレゼンを終え、せっかくなので八幡平をガイド。
ちょうどそのころ旬だった「行くぜ、東北!」のキャッチフレーズで展開していたJR東日本のロケ地になっていた「不動の滝」を案内する。2人はスマホを片手に撮影しながら進む。ひとつひとつ目にする風景が新鮮のようで、都会にはない癒しを感じているようだ。
鳥居から10分ほど歩いたところにはゴーゴーと勢い良く流れる滝がある。その滝の前に到着すると2人は5分ほどだったろうか、勇壮に流れる滝をみて静かにたたずんでいた。

その後、CCRC東北版1号となったオークフィールド八幡平に行く。CCRCとは仕事をリタイヤした高齢者が、元気なうちに地方へ移住し、必要なときに介護と医療のケアを受けて生涯暮らし続けるという構想だ。

2人は私が初めて訪れたときのような衝撃を受けた様子。
「本当にこれが高齢者住宅なのか!?」というほどのお洒落さ。
建築とデザインの力が社会福祉のイメージを変えてしまっている。

管理人にお会いしたかったが、フロアには女性の高齢者が数名。そこでひとりの女性が話かけてきた。
「及川さんですか?今呼んできますね。」
と、自らの足で探しにいってくれた。

ここは生涯活躍の場所であることをコンセプトにしている。入居者だからといって生活の全部を手ほどきしてもらっているわけではない。エレベーターもなく、階段の上り降りも立派なリハビリだ。
彼らは「やりがい」「いきがい」をもって能動的に動き、健康的に暮らしている。要介護者が増えると、介護離職も社会保障費も増えて経済も圧迫してしまう。地方で暮らすという選択がいかに自分と社会に意義があるのか。
オークフィールド八幡平はそれを教えてくれたように思えた。

さて陽がだんだん傾いてきて、時刻は夕方4時。この後、八幡平沼と松尾鉱山跡地に行きたかったが2人の時間がせまっていたので、この日は盛岡駅まで送る。また次に再会できることを約束して別れた。

八幡平を二日間かけてガイドしたが、行くとこ、行くとこが新鮮そうで、ゆーくは何枚も写真をとっていた。そして、この土地の魅力を引き出そうとたくさん質問もあって、本当に真剣さを感じた。

自分はここの地元で良かったと思う。専門的な観光ガイドではないが、曲がりなりにも魅力は十分紹介できたと思う。彼の投稿したSNSがその興奮を物語っている。

今、地方は人口流出によって、高齢者を支える人手が減少している。
医療福祉従事者の移住プロジェクトは、地方にはなくなるはずのない福祉の仕事を結びつけるということに価値があるのだ。
あとは、いかにここの魅力を発信できるかがポイント。

地方ならではの伝統や特産物、観光資源は地域の人たちで支えられている。高齢化が進み、自分の家族が介護を必要としても安心に暮らす。その実現には福祉の担い手が絶対に必要だ。

福祉は仕事を通じて地方を再生できる可能性が秘められている。
信念は曲げずにチャレンジを続けたい。

この続きはまたレポートします。

ユウジ
岩手県社会福祉法人安代会

社会福祉法人安代会に入会し総務、会計、人事に従事。2013年に情報処理技術者ITパスポートと2015年に社会福祉士を取得。
仕事では採用担当として法人ホームページの企画、運営、管理を担当している。
最近はデジタルツールを活用した採用戦略をテーマにセミナーや寄稿活動を少しだけ始める。

趣味は野球で草野球チームに所属し、息子の中学校でもコーチを務めている。
好きな言葉は「継続は力なり」

社会福祉法人安代会に入会し総務、会計、人事に従事。2013年に情報処理技術者ITパスポートと2015年に社会福祉士を取得。
仕事では採用担当として法人ホームページの企画、運営、管理を担当している。
最近はデジタルツールを活用した採用戦略をテーマにセミナーや寄稿活動を少しだけ始める。

趣味は野球で草野球チームに所属し、息子の中学校でもコーチを務めている。
好きな言葉は「継続は力なり」

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