社会福祉HERO’S

元DJ施設長が考える、音楽と社会福祉は似てる!?論

社会福祉な「まいにち」

島根県執筆者 Bamboo2018.12.10

はじめまして! 社会福祉法人の特別養護老人ホームで施設長をしています「Bamboo」と申します。

私は10年ほど前まで、島根を離れて広島に拠点をおき、DJとして活動していました。DJってどんな日々を送っているの?と思われる方が多いと思いますが、いたって地味?というか地道な毎日です。平日はイベントの企画や楽曲の制作、選曲等を黙々と行い、その準備の成果を、週末に全国各地のイベントに招待いただいて、DJをする中で花咲かせます。
また、多いときで年間の4分の1程度は海外で楽曲の制作活動をするという生活をしていました。そして、DJで集客が見込めるようになったため、レコード会社もそんな私が楽曲のプロデュースをすれば、ある程度の数字が見込めるだろう?と考えられたようで、僅かですが、楽曲のプロデュースの依頼やコミュニティーFMの枠もいただくようになりました。とはいっても、英語は小学生レベル、楽譜も読めません。また、音楽で生計をたてるには、結果が全てで、面白くなければ二度と呼ばれません。そんな中で、実直に音楽と向き合いつつ、全国にいる負けず嫌いな同士という名のライバルと切磋琢磨したことで成長し、自分の好きなことをお仕事にできたのだと思います。

海外ではスタジオで制作活動、週末や祝祭日は全国各地のイベントに出演し
結果が全ての厳しくも、やりがいのある日々となりました!

「母からの一本の電話が、私のミュージシャン人生を変えた!」

新たな契約をもらい、その1曲目のプロモーションビデオの制作の最中にその電話はかかってきました。社会福祉法人の代表であった父が急に体調不良となり、このままでは、大変なことになるという内容でした…。私は育てていただいた恩もあり、以前に法人の立ち上げのお手伝いをした後、本業である音楽の仕事に戻りました。しかし、起こっている様々な状況を考えると“帰るしかない”と決めました。

社福に入りたての頃の自分の写真。当時は事務員でした。

「ちょっと腐っていた自分の意識を変えてくれたのもまた、音楽の力だった」

「やるしかない」の気持ちだけで、島根へ帰りました。とはいうものの、福祉のお仕事についての知識はほとんどなく、サービスは制度によって細かく決められていて、音楽の世界のような自由な発想がしづらく感じました。どの職場でも「○○だからできない」とか、「何かあったら大変だから、余計なことはしない」というような悩みがありますが、職場の抱える環境を改善したり、新しい取組みを進めるのは、とてもエネルギーが必要でした。おそらく、いきなり帰ってきて、福祉のことも何も知らない“二世”に自分たちの職場をかき回されては困る!という感覚だったのかもしれません。結果が出ずに苦しむときもありましたが、そんなときに私を助けてくれたのは、やはり音楽でした。
私が音楽から学んだことは、“常に前向きでいること”でした。「○○だからできない」という発想ではなく、「どうやったら○○できるか?」の発想が大事で、常に挑戦をしていました。そして、音楽を通じてつながった、尊敬するべき先輩や仲間は、みんなキラキラしていて、ポジティブで、向上心や責任感が強く、何よりも自分や仲間を信じて、前に進む姿勢を大切にしていました。
「あ!難しく考えずに、今までに大切と感じたその価値観を、そのままやればいいじゃん!」と音楽は教えてくれたと思います。
幸いにも「一緒に何とかしましょう!」とお話ができた現在の幹部職員さんたちの助けもあり、苦しくもありましたが、たくさん汗を流し、まだまだ発展途上ではありますが、良い組織になってきたと感じています。

「福祉と音楽は似てる?! と気づいた」

そして、福祉の世界に入って感じたことは、「音楽も福祉もまったく違う仕事のようだけど、基本、やってることは同じ」ということでした。楽曲の制作はコンセプトを決め、それに合うミュージシャンを選抜したら、そのチームでどうすれば良い曲となるか?ヴォーカルやギターにドラムなど、その道を極めたプロフェッショナルが、それぞれアイデアを持ち寄ることで、どんどん良くなっていきます。
そして出来上がった曲を聞いた方々の背中を押したり、元気付けたり、その人の生きることを応援していくことができます。曲を聞いた方々から感謝されると、逆に私たちが元気・やる気をいただきました。

福祉の世界も似ていると思いませんか?課題を抱えた方に対して、その道を極める専門職がチームとなって、それぞれの専門性を活かし、様々に意見を交わしつつ、実践しながら対象者の“生きる”を支えています。笑顔を引き出し、相手から感謝されれば、よーし!もっと頑張ろう!!業界は全く異なりますが、“対人支援”という共通のキーワードを見つけたときに、音楽とも一生の付き合いですが、福祉という一生の仕事が見つかった!と感じました。

楽曲のプロデュースから生活のプロデュースというお仕事へシフトしましたが、その人の“生きる”を支え、そこでキラキラしている方々をさらに輝かせることができるよう、私も日々学び成長していきたいと思います。

そして福祉の世界へ飛び込んで感じているのは、とっても良い仕事なのに、福祉のお仕事に対する世間の見方は、かなりネガティブだということです。そして、福祉の業界は良いことをしているのに、それを上手にアウトプットしていないとも感じています。この業界に入ってまだまだ日も浅く、若輩者の私ですが、これまでの経験の中で何かお役に立てないか?と考え始めたのが、福祉の魅力発信に関するイベントの開催でした。

島根県内の福祉関係者が集まり、福祉の魅力を発信するイベント「ふくしたのしくなるひ」に島根県社会福祉法人経営青年会は主催者の一員として参加し、島根県内の福祉関係のお仕事で活躍するプロフェッショナル(専門職)や行政職員・教員等が「 福祉 × 音楽(アート) × 郷土愛 」を織り交ぜ語り合う「福祉クリエイターズセッション」や、福祉の仕事への熱意や葛藤を発表する「福祉のしゃべり場選手権」では、予選を勝ち抜いた10組が介護の仕事への熱い思いをスピーチしました。
参加者の方々からは、「わたしやっぱりこの仕事してて良かったです!いろいろ悩んで辞めようかと思ったりしたけど、今日の皆さんの思いを感じて、前向きになれました!」と感動して涙を流されていた方や、「ただステージで話してるんじゃなくて、音楽や映像も入って、とってもドラマチックで、エンターテイメントな感じで楽しめました!また来年も来ます!」など観覧者の方々から、多数の共感と感動のお言葉をいただきました。また、観覧していた行政職員さんから来年は当市で一緒に開催したいとの提案もあり、今後の可能性もどんどん広がってきていると感じています。
このイベントを通じて福祉と音楽との共通点をあらためて実感したと同時に、音楽やアートの要素を掛け算することで、若い人たちにも響くことになり、社会福祉のイメージをも変える力があるんだ!と再認識しました ! 元DJ施設長、さらなるエンタメ魂を発揮し、地域のヒト・モノ・コトが集まる、みんながワクワクするようなことを考えていきたいと思います!

Bamboo
島根県社会福祉法人豊心会 特別養護老人ホーム明翔苑 施設長

10年前までは、音楽業界でDJなどのお仕事をしていました。それが今では福祉のお仕事が面白くてたまりません!音楽のお仕事も福祉のお仕事も、相手を笑顔にする!楽曲のプロデュースから生活のプロデュースへ!充実した毎日を送っています!

10年前までは、音楽業界でDJなどのお仕事をしていました。それが今では福祉のお仕事が面白くてたまりません!音楽のお仕事も福祉のお仕事も、相手を笑顔にする!楽曲のプロデュースから生活のプロデュースへ!充実した毎日を送っています!

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